ブリーダーとそのタイプ
ブリーダーとは
ブリーダーと聞くと、一般的には「犬の繁殖を行っている専門家」という認識を持っている方が多いのではないでしょうか? しかし、ブリーダーとひとことで言っても、多種多様のスタイルと目的を持ったブリーダーがいます。 犬が大好きで数頭の犬を飼育し、趣味レベルでブリーダー業を営んでいる方から、スタッフを雇い、 会社組織でブリーダー業を営んでいる方、とにかく利益優先で子犬を乱繁殖させているブリーダーなど、その規模や質も様々です。
ブリーダーになるためには、行政へ「動物取扱業登録」が必要ですが(ブリーダーと動物取扱業登録をご覧ください)、 特にブリーダー1級やブリーダー2級などの資格があるわけではないので、ブリーダーの質を見極めるのは、なかなか難しいでしょう。 ただし、ドッグショーでチャンピオン犬を輩出しているブリーダーさんは、人間性は別として、ブリーダーとしての質は高いと思います。
ドッグショーでチャンピオン犬を輩出するためには、犬種スタンダードや遺伝学、健康管理などを学び、惜しみない労力と時間をかけます。 とても素人のブリーダーができることではありません(詳細についてはブリーダーとドッグショーをご覧下さい)。 しかし、ドッグショーに参加していないからといって、質の高いブリーダーが他にいないというわけではありません。
日本のブリーダーの中でも本当に少数ですが、ブリーダーとしての自覚や責任、志の高いブリーダーが存在します。 このブリーダーは、犬を心から愛し、犬種の保存と犬質の向上に努め、正しいブリーディングを行っています。 ブリーダー業界では「シリアスブリーダー」といいます。 シリアスブリーダーについての詳細は「シリアスブリーダーとは」をご覧ください。
ブリーダーのタイプ
ブリーダーには、様々なスタイルと目的を持ったブリーダーがいることは、「ブリーダーとは」で述べました。 では、具体的にどのようなブリーダーがいるのでしょうか? ブリーダー業界では、ブリーダーを大きく3つのタイプに分けて区別することがよくあります。 ここでは、その3つのタイプのブリーダーをご紹介します。
まず、1つ目は「パピーミルブリーダー」です。パピーミルブリーダーは別名、子犬工場と呼ばれています。 金銭が目的で、流行している犬種を何十頭と飼育し、繁殖に適さない犬だろうが何だろうが、とにかく商品である子犬を増やします。 よくトラブルになり、メディアに取り上げられるのもこのブリーダーです。
次に「バックヤードブリーダー」です。バックヤードブリーダーは素人ブリーダーとも呼ばれ、特に繁殖に関して深く勉強しているわけでなく、 趣味程度でブリーダーになった方たちです。日本でブリーダーと呼ばれるのは、このバックヤードブリーダーが多いです。
そして最後に「シリアスブリーダー」です。シリアスブリーダーは、まさに“プロ”のブリーダーと呼んで問題のないブリーダーです。 しかし、その数は日本のブリーダーの中でもごくわずかです。犬種や繁殖に関しての深い知識を持ち、犬の健康管理や飼育管理に 強いこだわりを持っています。計画的に繁殖を行っているため、子犬の出産頭数は少ないです。 ただし、質の高い子犬を作出するため、一度シリアスブリーダーから子犬を迎えた方は、またシリアスブリーダーから子犬を迎える方が 多いです。
以上が、ブリーダーの3つのタイプです。
この3つのタイプのブリーダーを比べると、できればシリアスブリーダーから子犬を迎えたいと思うのは、自然な流れではないでしょうか? しかし、残念ながら日本で子犬を探す一般的なペットショップには、シリアスブリーダーの子犬は並びません。 ペットショップに並ぶのは、パピーミルブリーダーやバックヤードブリーダーの子犬ばかりです。 シリアスブリーダーは愛犬家でもあるので、子犬をガラスケースに並べて販売することはありませんし、誰の手に渡るのか分からない代理譲渡は行わないのです。 シリアスブリーダーや、その子犬に興味のある方は“シリアスブリーダーに出会う”をご覧下さい。